妊娠中の旅行、いわゆる「マタ旅」。SNSでもよく見かけますが、実際のところ「行っていいの?」「どの時期なら安全なの?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
私自身も、妊娠中に夫と「最後のふたり旅」をしたい気持ちと、「何かあったらどうしよう」という不安の狭間で何度も迷いました。
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この記事では、妊娠27週で実際に伊豆方面へマタ旅に行った体験談をもとに、後悔したこと・行ってよかったこと・計画時に気をつけたいポイントをまとめています。これから旅行を考えている妊婦さんの参考になれば嬉しいです。
マタ旅を決めたきっかけと不安
妊娠中の旅行、いわゆる「マタ旅」。
「行ってみたいけど大丈夫かな…」と迷う方も多いのではないでしょうか。私もまさにその一人でした。
妊娠中は体調の変化も多く、何かあってもすぐ病院に行けない場所に行くのは不安。
それでも、夫の「今しか行けないから」という言葉に後押しされて、最終的に近場でのマタ旅を決めました。
決め手となったのは、最悪の場合でも車で2〜3時間以内に自宅へ戻れる距離であること。
そして、部屋にお風呂が付いた温泉宿でゆっくりできることでした。
実際に宿泊したお宿は「御宿 風月無辺」さん。
自然の中で静かに過ごせて、プライベート空間で海がよく見えるお風呂で本当にリラックスできる時間でした。
宿を探すときは、口コミやマタニティ向けプランを参考にしました。
私は楽天トラベルで探したのですが、妊婦さん向けのプランが豊富で安心して選べました。
またキャンセル保険にも加入したので、もし前日や当日体調が悪くなって行けなくなっても安心でした。
一般的にマタ旅に適している時期って?
私は妊娠27週(7ヶ月頃)にマタ旅へ行きました。
お腹も大きくなってきていましたが、体調は比較的安定しており、無理のないスケジュールなら楽しめる時期でした。
一般的にも、妊娠16〜27週頃の“安定期”はつわりが落ち着き、旅行しやすい時期といわれています。
一方で、初期はつわりや流産リスク、後期は張りや早産リスクが高まるため、遠出は控えめにするのが安心です。
私が行った27週はちょうど安定期の終わり頃で、体調的には問題なかったものの、やはり「何かあったら」と不安もありました。
どんな時期でも、事前に医師と相談して計画することが大切だと感じました。
行き先は河津桜まつりと伊豆方面の温泉宿
行き先は、ちょうど見頃だった河津桜まつりと伊東マリンタウン、そして小室山など伊豆方面。
春先の暖かい時期で、お花見もできて気分転換になるかなと思っていました。
「コウノドリ」で“マタ旅は危険”という回があったのを知っていたので、正直かなり迷いました。
(ドラマも漫画もどちらも見ていた「コウノドリ」ガチ勢です…!)
それでも、「近場だし大丈夫だよ」という夫の一言で、思い切って出発することにしました。
マタ旅で後悔したこと① 常にドキドキして楽しめなかった
行く前からわかっていたことではありますが、やはり「妊娠中」という意識が常に頭から離れませんでした。
歩きすぎていないかな?
車の移動時間が長すぎないかな?
シートベルトでお腹が圧迫されていないかな?
そんな不安が常にあり、心から楽しむというより「何か起きませんように…」と祈るような気持ちで過ごしていました。
マタ旅で後悔したこと② 宿の手違いで生ものが出てきた
宿には事前に「妊婦なので生ものは避けてください」と伝えていました。
しかし、実際の夕食でいくらが飾りつけで普通に出てきてしまったんです。
スタッフの方がすぐに交換してくれたものの、「妊婦」と伝えていても完全には行き届かないことがあると実感。
やはり、こうした細かな点も含めて「完璧に安全」とは言い切れないのが現実でした。
マタ旅で後悔したこと③ エンジェルサウンズの電池切れ
安心材料として持って行ったエンジェルサウンズ(胎児の心音を聞く機器)が、まさかの電池切れを起こしました。
原因は、荷物の中で電源が知らないうちに入ってしまい、旅行中にすっかり電池が消耗していたことでした。
いざ使おうと思ったときに「動かない!」となり、焦りと不安が一気に押し寄せたのを今でも覚えています。
旅行先は病院も遠く、すぐ受診できる環境ではないため、「赤ちゃん大丈夫かな?」と心配で仕方ありませんでした。
もしエンジェルサウンズを持って行く場合は、電池の予備を必ず持参することを強くおすすめします。
特にこの機器の電池は少し特殊で、「9V(6LR61/6LF22/6F22)」の角型乾電池が必要です。
私も旅行中にAmazonで注文しましたが、届いたのは帰宅した翌日でした。
安心のために持って行ったのに、逆に不安を増やしてしまう結果になり、本当に反省しました。
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マタ旅で後悔したこと④ 小室山のリフトでまさかの恐怖体験
小室山では、軽い気持ちでリフトに乗ってみました。
リフトの乗り降りは妊婦や小さな子供にも配慮されていて、スピードを緩めてくれるなどの対応があり、最初は安心していました。
しかし、動き出してからすぐに「お腹の中に赤ちゃんがいるんだ」と意識した瞬間、恐怖が一気に押し寄せてきました。
普段はそれほど高所が苦手ではないのに、妊娠中というだけで、景色を楽しむ余裕もなくなってしまいました。
「もし落ちたらどうしよう」と考え始めると怖くて涙が止まらなくなり、早く地上に戻りたい一心でした。
リフト自体は穏やかな乗り物ですが、妊娠中は気持ちが不安定になりやすく、予想外の恐怖を感じることもあると痛感しました。
リフトやアトラクション系の乗り物は、妊婦にはあまり向いていないと身をもって実感した出来事です。
マタ旅で後悔したこと⑤ 思いつきで行った公園で歩きすぎた
予定より時間に余裕ができたので、その場で検索して見つけた景色のきれいな公園へ行くことに。
ところが、これが予想以上に歩く場所で、しかも足元が悪くて途中でUターン。
体力的にも精神的にもかなり疲れてしまいました。
マタ旅で後悔したこと⑥ 帰りの車でお腹の張りが出た
一番ヒヤッとしたのは、帰りの車の中でお腹が痛くなったときです。
行きの道中よりも渋滞があり、長時間の移動で体勢もきつく、だんだんとお腹の張りを感じるようになりました。
帰宅後も張りが気になり、夜になっても落ち着かず…。
22時頃、心配になって産婦人科へ電話したところ、
「心配だったら来てもらって大丈夫ですよ」と言ってもらい、その言葉に少しホッとしました。
病院ではNST(ノンストレステスト)を30分ほど行い、診察の結果は「軽い張り」とのこと。
張り止めの薬を処方してもらって帰宅しました。
「大丈夫ですよ」と先生に言われた瞬間、安心して痛みがスッと引いていくのを感じました。
今振り返ると、不安と緊張で体が強張っていたのかもしれません。
妊娠中は少しの変化でも心配になってしまいますが、無理をせず受診してよかったと思います。
それでもマタ旅に行ってよかったこと
後悔はたくさんありますが、それでも行ってよかったと思えることもいくつかあります。
まずは、満開の河津桜を見られたこと。
春風に揺れるピンクの花が本当にきれいで、たくさん写真を撮りました。
温泉が吹き上がる霊泉の迫力も見応えがあり、非日常を感じられました。

また、部屋付きの温泉でゆっくりできた時間はとても贅沢でした。
妊娠中は感染予防のために大浴場は避けていたので、誰にも気を使わずに温泉に入れるのは大きな癒し。
海を見ながらのんびり湯に浸かる時間は、心からリラックスできました。
そして、コース料理をゆっくり味わえたこともよかったです。
出産後はゆっくり外食なんてなかなかできません。
「これが最後の夫婦旅行になるかも」と思うと、今でも良い思い出になっています。
行った側の正直な意見
正直、行くまではワクワクしていました。
妊活中から「妊娠したらマタニティ旅行に行きたい」と思っていたので、ようやく叶ったことが本当に嬉しかったです。
でも、実際に行ってみると、楽しい気持ちよりも「何かあったらどうしよう」という不安のほうがずっと大きかった気がします。
心も体も常に気を張っていて、のんびり過ごすはずの旅行が、どこか落ち着かない時間になっていました。
振り返ってみて思うのは、遠出よりも近場でゆっくり過ごすことがいちばんということです。
おしゃれなコース料理を食べるだけでも十分でしたし、
少し贅沢な時間を近場で過ごすくらいが、妊婦さんにはちょうどいいバランスだと感じました。
マタ旅は思い出づくりとして素敵な時間になる反面、体調や安全を最優先にすることが本当に大切です。
無理をせず、「今の自分に合った楽しみ方」を選ぶことが、後悔しないマタ旅につながると思います。
マタ旅で後悔しないために気をつけたいこと
これからマタ旅を考えている方に伝えたいのは、「不安を完全に消すことはできない」ということです。
それでも行く場合は、以下のような点を意識しておくと安心です。
- 自宅や産院から2〜3時間以内で戻れる距離を選ぶ
- 妊娠週数が安定している時期(医師に相談のうえで)に行く
- 宿には妊娠中であることを再度確認
- 歩く距離や予定を詰め込みすぎない
- エンジェルサウンズなど安心グッズの電池チェックは必須
まとめ 近場でゆっくりが一番のマタ旅
マタ旅は、夫婦でゆっくり過ごせる貴重な時間でもあります。
日常から離れてリラックスできる特別な体験になる一方で、
実際に行ってみると、体調や気持ちの不安も多く、思っていたより疲れる旅でもありました。
もしまた妊娠したとしても、おしゃれなディナーやランチをゆっくり楽しむくらいで十分だと思います。
遠出や観光を詰め込むよりも、「安全に、無理せず、思い出を残す」ことが、
私にとっての理想的なマタ旅の形です。



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